読書感想 MEDIA MAKERS―社会が動く「影響力」の正体 宣伝会議 田端 信太郎

LINEを退職し、スタートトゥデイに転職し、話題の田端氏

twitterでの荒ぶる発言でよく注目される方ですが、書籍ではどんな事を語っているのでしょうか。
メディアとは関わりが無く、通常の仕事でも広告やマーケティングはしませんが、知識として非常に役に立つと思う内容がありましたので備忘の為、まとめます。
自分に必要な部分だけピックアップしてます。
メディアに関わる考察など、もっとメディアに興味がある人に必要な情報が書いてありますので、ちゃんと買って読んだ方がいいです。

第一章 はじめに

田端氏の経歴と経験から、情報をどうやって上手く取り扱えるかが人生の質を左右するかの基礎知識となり、メディア・リテラシーを向上させるために自ら発信が重要。

確かにブログを書き始めてから、WEBニュースやTwitterなどは複数の意見や関連サイトを調べて発信しますから、情報の見方が変わってくると思います。

第二章 一般ビジネスパーソンもメディアの知識が必要な時代

経営資源の人、モノ、金のキャッシュが重要な経営資源の時代は終わった。
人材、注目が重要となり、競争の軸となる。

お金2.0でも個の時代になりつつあると書いてありましたが、企業と個人の関係性も変わりつつあると感じます。

第三章 「メディア」とは何か?

コミュニケーションは受け手が王様
受け手になんらかの印象を残し、心理的、あるいは行動として反応されることが存在意義。

メディアに必要な条件
発信者、受信者、コンテンツ

田端氏考案 フレームワーク
Media 送信者1vs受信者N ヤフーニュースなど
Community 送信者N vs 送信者N フェイスブックなど
Tool 送信者N vs 受信者1 Gmailなど

ここでは田端氏のメディアの定義が書かれています。
発信したつもりだががデータセンターのハードディスクの肥しがほとんどとの事で、今は私のブログもそうなのでしょう。
誰かに取って価値があるものとなれる様、頑張らねば!

第四章 そこにメディアが存在する意味-影響力の本質

世代を超えて受け継がれる文化的情報 ミーム
人にとって自分が生きた証がストーリーになり、歴史に名前が
残せるのはモチベーションの源
メディアのビジネス世界における市場の創造過程に大きな力を発揮。
業界が存在する事=それで飯を食ってる関係者ごその周辺に存在するか
メディアをみる-注意喚起-潜在的欲望がサービス商品への需要に顕在化-メディア介在により供給サイドが刺激され好循環が生まれる。
メディアという観察者、紹介者がそこに発生することで世界が誕生するプロセス

予言を自己実現する力などメディアの力について
記載されています。

第五章 「コンテンツ」の軸でメディアを読み解く-源氏物語からニコ動までコンテンツを分類する3次元マトリックス

コンテンツ形態の3つの軸
ストック<->フロー
参加性<->権威性
リニア<->ノンリニア

ストック型は時間経過による価値低下が少ないコンテンツ
フロー型は鮮度が命 株価、ニュースなどのコンテンツ
ストックとフローをお互い行き来する視点が大事

参加性 食べログ
権威性 ミシュラン
コントール、責任、意思がポイント
参加性は編集責任がなくコントール困難。
コントールし、責任を持つ報酬として権威が生まれる。

リニア 初めから終わりまで一直線 連続してみてもらう型を想定したコンテンツ
ノンリニア 断片化したバラバラなコンテンツ

メディアについてわかりやすく体系だてされていて目から鱗
コンテンツに対する視点が変わります。

第六章 「メディア野郎」へのブートキャンプ

メディア作りにはペルソナが必要!
属性情報でなく、感情的、心情的な情報をイメージ出来る擬人化したもの。ターゲットのキャラ設定
ペルソナわひとりの人格としてどう反応するか考る。
KPIを見て具体的な改善に行動を移す、メディア全体の売上やPV増減要員についてMECE構造を頭に持つ。

ウェブメディアの利益=(PVあたりの売上- pvあたりの費用)×全体PV

稼げるメディアは、それだけ自由なメディアたりうる。
また、ブランディングについての考察、編集権の独立、高潔さについて。

第七章 メディアとテクノロジー

新しいメディアが出るたびに「このメディア上では、ユーザはどの様な無言のメッセージをアーキテクチャから受け取るだろうかと自問することが大事。

自分たちだからこそ、社会や顧客に提供できる本質的な価値とは何か?ゼロベースで本質的な意味があるかよくよく考えることが必要。

ITに関わる仕事してますので、新たなアーキテクチャが登場した時はこの視点とても大事と思いました。

第八章 劇的に変わるメディアとメディア・ビジネス

ドリルを買いに来たお客は何を求めているか
より高い次元で消費者が求める提供価値を再定義し、根本のニーズに立ち戻って行くことこそ必要。

第九章 拡大する個人型メディアの影響力とこれから

メルマガと書籍の違い
少人数から作成可能、制作発行まで短期間、定期購読かつpush型 課金継続、著者への利益還元が大きい、顔の見える個人が品質保証している、メールが読める人がターゲットなので市場規模が大きい。
コンテンツ課金のカギは、個人の信頼と影響力
有限責任マネーゲームの駒でしかない株式会社と数十年の時間を通じ、一貫した生身の人間が責任主体となる個人、どちらを信頼するか

 

 

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